桜花舞うとき、きみを想う


突然の衝撃に、ぼくは上下がわからないほど転げ回り、壁に体を強く打ち付けた。

「中園っ!」

宮崎さんの声が聞こえたが、鳴り止まない轟音のせいで、どこから聞こえるのかはっきりしなかった。

「中園っ、大丈夫か!」

「宮崎さん!宮崎さん!」

ぼくは恐怖のあまり、無我夢中で叫び、闇雲に手を伸ばした。

目の前は煙っていて、何も見えなかった。

しかしすぐにぼくの手は大きな手に引っ張られ、

「大丈夫か!」

声がして顔を上げると、宮崎さんがぼくの肩を抱え込んだ。

「怪我はないか!」

耳元で叫ばれたが、壁に叩きつけられた衝撃が強く、怪我の有無などわかりようもなかった。

ぼくは白煙の中、宮崎さんに支えられながら立ち上がった。



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