アゲハ~約束~
 そんな、ある日。

 雨が続いた、三日目だった。

 今日もアゲハは、いつもの決まりの場所、読書場で、本を読んでいた。

 誰もそんな彼女に、不審さなど感じなかった。


 が―――・・・


 おかしいと、気づいたのはルフナだった。

 いつものように話をしようと、隣に座っても反応がない。


 覗き込んでみると、彼女は寝ていた。



「・・・」



 その寝顔を写真に撮ってやろうと思って、その顔がよく見えるところに移動した、時。



「――――あれ?」



 見えたのは、その額に浮かぶ汗。

 感じたのは、荒い息。



「・・・」



 恐る恐る額に触れると、それは、明らかに異常なほど、熱かった。



「えっ・・・園長センセー!!」



 ルフナは大慌てで園長や幸人達を呼び寄せる。



「どうしよう、どうしよう。すごい熱だよ?救急車とか・・・」



 彼の慌てようはすごかった。

 手をあわあわと動かして右往左往する。


 が。



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