アゲハ~約束~

5.

 朝、子供たちが騒ぐ声で目が覚めた。

 今日は日曜日。

 一緒に朝ごはんの用意をしているのだろう。



(・・・だいぶ、楽。)



 昨日よりもはっきりした頭をコンコンと叩きながら起き上がる。

 まだ、身体が熱い。


 そのせいか、右手も―――・・・



「・・・」



 右手が、熱かったのは。



「・・・ルフナ。」



 ルフナが、握っていたからだった。

 手を握ったまま、ルフナが眠っていた。



「・・・あ・・・起きた?」



 ルフナも目を覚まし、アゲハにふにゃっとした笑顔を向ける。

 部屋が明るくなっているから、その顔がよく見えて、アゲハはほんの少し顔を赤らめる。



 ―――ほんとに、いた。



 目が覚めても、彼は、そこに。


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