アゲハ~約束~
 なるほど、彼らが持っているスケッチブックの文字は、住所だったのか。



「マメね。」



 アゲハが呆れたようにため息をついて、ルフナの肩に寄りかかる。

 写真を一枚つまみ上げてみると、そこにはとてもいい笑顔がおさまっていて、こっちまでつられて笑顔になってしまう。

 すると、ルフナはそんな彼女の頭を抱いて、ゆっくりとゆれる。



 ―――幸せな、ひと時。





「ほら・・・飛行機っていつ落ちるか判らない、怖いところあるじゃない。・・・そんなときにさ・・・写真くらいアゲハに残せたらと思ったの。」

「ルー・・・」

「で、まぁ、オレが無事に戻って来れたときには、一人ひとりに送りましょうということで。」



 こうして、仕分けしてるわけ。



「俺ができないときには、アゲハに代わりにやってもらおうかな。」



 彼はそういって、笑う。


 けれど・・・


 アゲハはなんだか不安になって、身を固くした。



 ―――飛行機は、いつ落ちるか判らないなんて。



 そんなこといわれて・・・不安にならないわけがない。



「あ・・・」


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