恋花よ、咲け。




こんなに寒い冬日なのに
弘也の額には汗が光る。


「お疲れ様。」


弘也を見上げ そっと呟く。


この静けさなら 小さな声でも
充分あなたに伝わる。


「まだまだ練習は続くけどね。」


「何時までやるの?」


「今日は10:00まで。」


「長いねー。 頑張ってよ。」


「当たり前。」


他愛のない会話。


あなたと私以外感じられない空気。


この時間だけは 恋の儚さを忘れる。


こんな日は 週に1・2回ほどあった。


そして別れ際 あなたがいつも私に言う。


「今日もありがと。 楽しかったょ。
じゃあ おやすみ。」


同じトーン 同じ表情 同じ言葉 同じ間。


だから私はあの日を決意した。


そう 今日までは。




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