恋花よ、咲け。




俺がイライラしている理由。


それは間違いなく 高木のせいだ。


あの 冷たい顔をされた日から
かなり日は経つものの
一度だって話していない。


今となっては
あの東階段での高木の言葉が 幻のようだ。


更に 最近高木は
やたら健吾と仲が良い。


メールも頻繁にしているようだし
何より、毎日あの向日葵のような笑顔で
健吾を見据えるんだ。


…俺は その間に入れない自分に
とてつもない苛立ちを感じる。


そしてそれと共に
健吾への強い嫉妬心も。


だからか知らないが
健吾とは話すことは愚か 目すら合わない。


いや、合わせたくないオーラを
俺が出しているんだ。


健吾も十分にそれを感じ取っているようだった。




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