恋花よ、咲け。
弘也のシャツは
びしょ濡れで 中のTシャツが透けている。
「……シャツの替え 持ってるの?」
顔の赤みが引いてきてから
そっと顔をあげる。
すると弘也は タオルで髪を拭いていて
その姿に 胸がきゅんとする。
「あー、教室に置いてあるよ。
後で 取りに行くよ。」
何だか 不思議だな。
話せない自分に
目で追いかけるだけの自分に
近づく勇気がない自分に
もどかしさや 苛立ちを感じていた日々が
まるで嘘のように 空いた穴を
あなたの存在が ひとつひとつ
埋めていってくれる。
「……ありがと。
俺、ちょっと期待してたよ。
…高木 来ないかなーってさ。
そしたら 本当に来てくれたから
すごく嬉しかった。
温かいコーヒーとか 高木らしくてウケたし。」
ずるいなぁ、そんな笑顔で。
ますます あなたに夢中になってしまう。
「……うん。
どういたしまして。」
精一杯の笑顔を作るけど どこかひきつる。