《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
「!?」


滋弥君は知弥を見つめ、視線の先を辿るように、顔を動かした。


私は滋弥君とも視線を合わせる。



「あなたですか?安倍花奏さんって??」



「えっ!?」


教壇を下りて、滋弥君が私の机の前にやって来た。


「本当だ…甘い匂いがする」


滋弥君が躰を屈め、私の髪に顔を寄せた。



「おい!?滋弥!!」


知弥が滋弥君の上着の首根っこを掴んで、顔を引き離す。



「僕もあなたが欲しいです!!花奏さん」


「ええ~っ!?」





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