《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
目の前の滝は規則正しく下流へと水を落とし、近づく知弥を待ち構える。



神聖な儀式だけど、初めて目にする知弥の躰に私は惑わされた。



知弥は両手の指を組み合わせて、祝詞を呟き、紫水晶の瞳を閉じた。



普段は煩悩の塊みたいな男なのに、今はストイックに純粋に、己の気を高めてていく。




無心に滝水に躰を捧げ、神の力と己の気を高めようとする知弥の姿。



私の瞳を釘付けにした。


カッコイイ…

ステキ…

率直なキモチが溢れた。



「ここの滝水の水圧はキツイです」
神官の説明に驚愕。


「『妃女神』様の分も自分がやるとおっしゃっていました」


「え、あ…」















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