《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
「『妃女神』は『仙狐』の花嫁として我が妖狐の国に連れていく!!」


花奏を『仙狐』の花嫁だと!!?


「冗談じゃない!花奏は俺の嫁だ!!重婚は許さない!!!」


傷口から止めど無く血が溢れ出て行く。

今まで一度も俺は敵に躰を傷つけられたコトがなかった。

無敵それが俺の自慢であり、勲章だった。なのに、『天狐』の神に近い力に見事に玉砕。


俺は唇をギュッと悔しく結びながらも、躰を起こした。


既に、爽爾が花奏を拘束していた。



「知弥!!?」


花奏は爽爾に拘束されながらも、逃げようと必死に藻掻く。


目の前にふたりの姿は見えてるのに、俺は血の気と共に意識まで朦朧し始めた。



「か、な・・・」


その場に、躰を崩し、気を失った。


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