《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
* * *

気品も艶も感じない小娘に心臓が跳ねるとは…俺も血迷ったか?


また、月が満ち始めてゆく。


闇に潜む妖たちの力は月の満ち欠けに左右される。

所謂、月は彼らの妖力のバロメーターの役割をしていた。


満月の夜が尤も、彼らの力を大きくする。



俺は吸血鬼と人のハーフ。


俺も例外ではない。



俺の中に潜む吸血鬼の力が、躰を蝕んでゆく。



水で喉を潤しても、弛まなく続く喉奥の渇き。



何を求めてるのか…俺は分かっている。



でも、その求めるモノに俺は激しく抵抗し、苦しむ。


< 32 / 212 >

この作品をシェア

pagetop