《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
先生は口許を手で押さえ、苦しみ始めた。



「小笠原先生…大丈夫ですか?」


「いいから…俺から離れろ!!」


そばに寄る私を冷然とあしらう。



「でも…」


「大丈夫ですよ…花奏様」


私たちの元に、漆黒の髪と瞳の若い男性が現れた。


「私は…知弥様の主治医です…持病の発作が出たみたいです」


「え、あ…」


「あなたは早く…教室にお戻りください…」



「はい・・・」



先生の主治医に促され、私は先生を置いて、先に教室に戻った。


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