《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
「・・・」



小笠原先生のおかげか、生理痛の痛みは和らいだ。

って言うか…田井先生とキスした後に、今度は私とキスするなんて、デリカシーなさ過ぎ。



5時間目は小笠原先生の古文とは。


「春はあけぼの・・・」


教壇に立って、清少納言の『枕草子』を読む小笠原先生。


低く甘い声で、流暢な読み方。


女生徒たちはアルコールでも呑んだように瞳を蕩けさせて、小笠原先生を見つめる。



開いた窓から吹き込む午後の風に乗って、校庭に咲く桜の散った花弁が教室に入り込んできた。














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