坂田家の日常
――春がやって来た。
俺もセージも、無事に3年生へと進級できた。
「尚斗兄っ!!早くしないと遅刻!!」
「うわっ、ヤベっ…」
セージにおもしろいからと借りた漫画を読んでたら、夜更かしをしていた。
「行ってらっしゃ〜い」
母さんが見送り、俺と菜緒子は学校へと走る。
「だいたい何で菜緒子まで遅刻しそうなんだよっ…」
「真壁先輩と長電話してたら、寝るの遅くなっちゃったのっ!!」
「ったく…」
「尚斗兄も人に言えないんだからね!!」
「はいはい…」
新学期早々、遅刻寸前の俺ら二人。