ひとまわり、それ以上の恋
「へぇ、慣れてるもんだね」

「これぐらいは……。それから、実はハーブティ好きで飲んでいるんです。新人研修で、喉が痛くなったときは、こっそりマローブルーのハーブを淹れてました。それから、風邪引きそうだなぁっていうときはエキナセアとか、お腹痛いときはメデゥスイートとか……」

 それ以上のウンチクは今はやめておこう。またジタバタしてるって思われるの癪だもん。

 どうぞ、と差し出すと、「ありがとう」とにっこり笑顔を向けられて。

「紅茶は一通り遊んだけど、ハーブティはこの頃。いろいろ教えてもらえそうだし、何より気が合いそうで嬉しいよ」

 さらりと言われて、私はなんとなく彼の眼差しを直視できなかった。

「食事はいいよ。まだ時間があるから、適当にブーランジェリーにでも寄ろう」

 会社の近くに美味しいパン屋さんがあって、ティーラウンジがある。
 そこで朝食を、と言ってくれたのでホッとしたのだけれど、

 まだほっぺたが熱い。緊張で膝が笑ってる。

 大体、市ヶ谷さんが十八歳のときに、私はまだ、赤ん坊だ。
 年の差を考えたら、私なんて子供なんだろうけど。

  でも、私だってもうすぐ二十二歳になるんだし、年頃の女性なんだし……。

 市ヶ谷さんの理想のタイプは、やっぱり大人の女性なんだろうし。
 ……って、考えたら、なんだか虚しくなってきた。

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