ひとまわり、それ以上の恋

「じゃあ……私みたいな子、子供みたいに思ってるかもしれませんけど、れっきとした大人ですし……副社長は、とても素敵なんですから、気をつけてください。

 子猫だって……暴れることはあるんですよ? 引っ掛かれたら痛いんですから。そしたら破傷風の注射だって打たなくてならないないし、場所によっては重傷です」

 可愛げない新人だって言われるかなぁ。内心はビクビクしてる。
 せめてこのぐらいの文句くらいは、大人の余裕でかわしてくれるよね?

「こんな僕でも、恋愛対象外にはならないっていうこと? 結構、大人の発言してくれるね」

 全然効き目ナシ。笑われてるし。猫パンチの反撃なんてたかが知れていた。

 ムゥっとした私のこと、そんな見守る目向けてもらわなくてもいいのに。

「そこまで子供じゃないっていうことを言いたかっただけです」

 お洒落な小瓶に詰められたペパーミント、レモングラス、カモミールジンジャー。

 ハーブの茶葉を、ガラスポットに入れてお湯を注いでいく。

 ふんわりと湯気が漂うと、しゃきっとするようなスパイシーな香りが充満する。

 3分ほど蒸らして、ティーカップに注ぐと、物珍しそうに、市ヶ谷さんは私の手元を見ていた。



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