3.30からの恋、
夏が、きた。
待ちに待った。
あたしが一番好きな季節。
その日、いつものように泊まりに来ていたリュウヤと
近くの川に泳ぎに行くことに。
いつか決めた二人だけのよびかた。
『りゅう』『みぃ』
蝉がちらほら鳴き始める。
あたしの実家は田舎にあった。
近くにあるのは田んぼ、山、神社。
自然に囲まれていたから、
なんとなく空気がおいしく感じる。
二人で自転車をこいで川に向かう。
あたしの流されたスリッパをとろうとしたりゅうが
足をケガして泣きそうになった。
「ごめんりゅう、、、」
「みぃのせいじゃないから」
いつでも優しい。
この男はほんとに馬鹿野郎だ。
ほんと泣けてくるくらい、、、
遊泳禁止の川で泳いで警察に注意されたり(笑)
いろんな川を転々とした。
祭りにも行った。
手を繋いで歩く隣町の駅周辺。
にぎわっているこの場所。
知り合い、友達にもたくさん会った。
みんなニヤニヤしながら楽しんで!ってさ。
幸せだった。
とっても。
それなのにあたしは、、
幸せは、、、つかの間。