便利屋



「…はいッ。」


奈央が吐息に言葉をのせて吹き出した。

奈央から手渡されたものは、いかにもお菓子が入っていそうな感じの袋。


『これなに?』


「あなたに、あげる。」


奈央は、いつもと同じ言葉を吐き出した。



そう─────‥
いつもと、同じ言葉を。



あの日から、もうすぐ2週間が経とうとしている。

俺たちの関係は、曖昧なまま。



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