便利屋



『いらっしゃい、…奈央。』


おどけた可愛い笑顔は不満げに眉を寄せる。


「なによー…びっくりしたふりしてくれたっていいじゃない…。」


そんな奈央の更け腐れた顔も、可愛く見える。


『あのなー…ピンポン言う前に咳払いしてんの丸聞こえだったから。それにインターホンついてないからって自分でピンポン言う失礼な宅配便屋さんいないから。』


軽く睨めば、ほら…

奈央も睨み返してくる。


ったく。

それじゃ睨んでるように見えねーから。



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