便利屋
華やかな空間───‥
そう、書斎の奥には可憐なソファーがあり、くつろげる空間があった。
そこには幼い女の子が喜びそうなぬいぐるみや花柄の小さなソファーもある。
「…あのころと、変わらないな」
「…ああ。ここは、何も変わってないんだ。」
過去の記憶を辿る隆史さんの口調が先程までとは一変した。
隆史さんはいざどゆうときには、言葉がすんなりと出てくる。
…俺が奈央を連れ拐った、あの日のように。
ってことは…
安易に予想がついてしまった。
こんな風に単純に考えたことがあってるとはわからない、けど…
隆史さんはこれから、重要な話をするに違いない。
「どうして此処にお父さんがいるのかわからないけど…あたしたち、邪魔になるから退室しますね。」
奈央の精一杯の強がりの言葉だった。
「…いや、奈央と広人くんも…どうか腰を掛けて。」
隆史さんの瞳には、迷いはない。
どもる、言葉もない。
何か…伝えたいことがあることは、たしかだ。
『じゃあ…遠慮なく。』
「広人…!?」
なによりも、俺は知りたい。
この胸にわだかまるものの正体が───‥わかる気がしたんだ。