先生とシンデレラ
「…何で、私なんですか」

華ちゃんが名前を告げられてから最初に発した一言だった。

「華が似合うと思ったからだよ。なんか文句ある。」

先生、なんでそんなケンカ腰なんですか…

そう思いながらも黙って二人の睨み合いを見守る。

「…それと、他の子がやったら華が困るかと思ったんだけど。」

「…っ」

華ちゃんが頬ずえを止めて焦ったように先生を見た。

…?

先生はその様子を見て勝ち誇ったかのようにクスッと笑って。

「…違ったかな。」
と言った。

華ちゃんは、その言葉にため息を吐いて
「わかり、ました。」
と言った。

…何なんだろう?

華ちゃんが、そんなに頑なになった理由。

いつもそんな子じゃないのに。

先生とも仲良いのに。

…何でだろう。
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