先生とシンデレラ
車を走り続けて10分。

静かな車内を不思議に思って、赤信号の時不意に助手席を見ると。

「…は。」

思わず、声に出してしまった。

…よく寝るね。

俺の目線の先には、こてん、とドアにもたれかかって眠る羅々。

後頭部席に置いとけと言ったのにも関わらず、その腕にはしっかりと俺の鞄が握られてる。

「…」

ため息をついて。

…不覚にも可愛いとか思ってない。

そんな性格じゃなかったはずだ。

やめろ。

頭の中のもう一人の自分をかき消す。

羅々といると、性格が変わっていく気がする。

…最悪。

「…羅々のせいだからね。」

静かに呟いて。

青になりそうな信号を見つめながら、そっと頭を撫でた。
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