先生とシンデレラ
「…羅々、」

心地良いその声に。

うっすらと目を開ける。

…外はもう真っ暗でなのかな。

「…せんせ、「ん。羅々、着いたよ。」

その声に反応してぱっちりと目が覚めた。

窓の外を見ると。

そこは、最近出来たばかりのアウトレットモールだった。

皆が、行きたい行きたい、言ってたのを覚えてる。

でも、ここは…

「遠いんじゃ…」

「うん。だから羅々のお母さんに連絡しといたからね。」

その言葉に目を見開く。

「…それで、お母さんは何て…」

「“遅くならない様にお願いします”って。クラスの皆も一緒だって言ったからね。」

「…」

その言葉に思わず顔が引きつる。

「何。」

「…いや、何も。」

私がそう言うと先生はまだ不服そうな顔をしながらも追求するのをやめて、ドアノブに手をかけた。

「…じゃ、行こうか。」

その言葉に。

まるで、デートみたいと。

笑顔で頷いた。




< 299 / 449 >

この作品をシェア

pagetop