先生とシンデレラ
「まぁ、いつも、モテモテな事。」

私が、席に着くなり、声をかけてきたのは、私の隣の席に座っている中学生からの親友の日比谷 華。
「華ちゃん…。
私には関係無い事だから…。」


「…ふーん?」

「なに?」

まるで《まだ、子供なんだから…》とでも言いたそうな顔で。

「別に?」

「そんな顔してないよ…」

私がそう言うと華ちゃんは真剣な顔で

「…じゃあどんな顔?」

どんな顔って。

「そ、そんな事言われても…」

私がそう言うと華ちゃんは呆れたようにため息を一つ落として

「…いつまで知らないフリしてんの?」

「…何の事?」

華ちゃんはまたため息をおとした。


それからは無言で授業を受けてチャイムがなって学級長が、起立、と言った時。

先生が、

「日比谷、今日の放課後、職員室にこの前休んだ時のプリント取りにきなさい。」

と言った。

華ちゃんの、
めんどくさ
とつぶやいた声がやけに頭の中に響いた。


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