先生とシンデレラ
先生の車の中。
二人で楽しく会話をしながら過ごしていると。
赤信号で車が止まった時に、先生は手だけを私の方に出した。
私が小首をかしげると。
先生は、
「…ケータイ。ロック開いて、貸して。」
「え?」
「…良いから。早くしなよ、青信号になるよ。」
何で、急にケータイ?
私が何も言えずにいると、先生はパッと手をハンドルに戻して。
「良いよ、別に。羅々がそれで後悔しないなら。」
…っ
その言葉に急いで制服のポケットからiPhoneを取り出し、ロックを解除して、その様子を見て再び差し出された先生に渡した。
先生は、ちらちらと信号を確認しながら、私のiPhoneに何かを打ち込んで車を発信させるのと同時に私の膝にそれを置いた。
私がそれを受け取るのを横目で確認した先生は、
「先生のアドレスと携帯番号、いれておいたから。」
…え。
私が目を見開いて、先生の横顔を見ると。
「…さっきの写真、送りなさい。」
先生は私の方を一切見ずに。
「ミスコンが終わっても、何かあったら連絡してきなさい。」
その言葉を聞きながら、iPhoneに指を滑らせて電話帳を見る。
…あった。
本当に、“加藤 蓮”って…
中々言葉を発しない私に怒りを感じたのか、先生は早口で、返事、と言って。
私は前を向いて運転してる先生の横顔を見ながら、その幸せを噛み締めるように
「…っはい…」
そう言うと。
先生は、柔らかく笑った。
二人で楽しく会話をしながら過ごしていると。
赤信号で車が止まった時に、先生は手だけを私の方に出した。
私が小首をかしげると。
先生は、
「…ケータイ。ロック開いて、貸して。」
「え?」
「…良いから。早くしなよ、青信号になるよ。」
何で、急にケータイ?
私が何も言えずにいると、先生はパッと手をハンドルに戻して。
「良いよ、別に。羅々がそれで後悔しないなら。」
…っ
その言葉に急いで制服のポケットからiPhoneを取り出し、ロックを解除して、その様子を見て再び差し出された先生に渡した。
先生は、ちらちらと信号を確認しながら、私のiPhoneに何かを打ち込んで車を発信させるのと同時に私の膝にそれを置いた。
私がそれを受け取るのを横目で確認した先生は、
「先生のアドレスと携帯番号、いれておいたから。」
…え。
私が目を見開いて、先生の横顔を見ると。
「…さっきの写真、送りなさい。」
先生は私の方を一切見ずに。
「ミスコンが終わっても、何かあったら連絡してきなさい。」
その言葉を聞きながら、iPhoneに指を滑らせて電話帳を見る。
…あった。
本当に、“加藤 蓮”って…
中々言葉を発しない私に怒りを感じたのか、先生は早口で、返事、と言って。
私は前を向いて運転してる先生の横顔を見ながら、その幸せを噛み締めるように
「…っはい…」
そう言うと。
先生は、柔らかく笑った。