先生とシンデレラ
明日も早いからもう寝なきゃ。

そう思いながらも。

…やっぱり、寝れない。

頭を回るのは、今まで支えてきてくれた人達と、もらった言葉。

どれか一つでも欠けてたら、どうなってたんだろう。

トオルさんがいなかったら。

第二次審査に出れなかった。

三浦君がいなかったら。

同じ立場で物事を言い合える人が居なかった。

瑠璃ちゃんがいなかったら。

ここまでミスコンに真剣にならなかった。

由紀さんがいなかったら。

ミスコンに出る勇気がなかった。

真衣さんがいなかったら。

ミスコンに出る資格がなかった。

華がいなかったら。

ミスコンに出なかった。



もし。

もしも。

先生がいなかったら。

何も出来なかった。

以前の私から、変われないままだった。

先生がいてくれたから。

先生が、“羅々頑張ろうね”

そう言って支えてくれたから。

私はここまで出来た。


いろんな人達の顔を思い浮かべながら。

明日は、その人達が全員見てくれるって言ってる。

真衣さんも、由紀さんも、トオルさんも。

忙しい中都合を合わせて来てくれるって言ってる。

先生に車の中で最後に言われた言葉を思い出して。

『その人達に恩返しをすれば良いんだよ。感謝の気持ちを伝える為に先生と羅々は明日、シンデレラをするんだよ。』
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