先生とシンデレラ
舞台に上がる前。

先生は緊張してる私の横に立って。

「…緊張なんかしなくていい。」

私の、手を握りながら。

「今日は先生も一緒なんだから、優勝に決まってる。」

「…そうですね。」

私は、笑いながら。

滅茶苦茶な理論なはずなのに。

その言葉に体が軽くなる。

先生は、いつもそうやって私の事を励ましてくれる。

「シンデレラ、幕上がります!」

その声に。

先生は私の背中を優しく押して。

「…いっておいで。後で先生も行く。」

その言葉に。

笑顔で頷いて。

一歩踏み出した。
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