先生とシンデレラ
しばらく話していて、ふとある事に気づく。

私がおずおずと
「…あの、先生、は…?」

その声に三人は顔を見合わせて
「そう言えばさっきから見ないわね。」

「…どうしたのかしら。」

「さっきの男の子の所かなぁ?」

会いたい。

先生に、早く褒めて欲しい。

思わず俯くと。

その様子を見た真衣さんが
「…行ってらっしゃい。」

「…え?」

「会いたいんでしょう?会ってらっしゃいよ。」

私がギュッと手を握ると。

「きっと、蓮も同じ気持ちのはずだから。」

その言葉に。

私は、ドレス姿で走り出した。
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