先生とシンデレラ
「…文句言ってたのにね。ちゃんとやる所が羅々の偉い所だと思うよ。」

先生はそう言って私の頭をそっと撫でた。

…先生は知らないんだろうな。

それとも知らない不利をしてるだけなのかな…

私が先生の一挙一動でこんなにも

胸が弾んだり
  落ち込んだり
  嬉しくなったり
  モヤモヤする事。

私が考え事をしていると先生はパッと思い出したように席を立って、荷物を片付けだした。

「…さてと。」

私がその姿を唖然として見ていた事に気づいたのかは定かではないが。

「今日は時間ある?」

そう聞いてきて。

私が慌てて

「…あります…けど…」

と言うと先生は

「…だったら良いね。行こうか。羅々。」

そう言って手を差し出して。

私がキョトンとしながら

「…どこへ…?」

と聞くと先生はにっこり笑って

「…先生と夜のお忍びデート」

と言った。



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