Love Side 
電話には女の人が出て丁寧に対応してくれた。

「姫川は、本日午前11時より午後3時までの勤務となっております。

 伝言があれば承りますが。」

「あ、じゃあ伝言お願いします。

 昨日はありがとうございました。無事靴も修理できました。
 
 とお伝えください。」

こんなもんだよねそうそうロマンスなんて転がっていないんだから。

昨日は、偶然だったけどあんな風に助けてもらって

ちょっぴり心が動いた。

彼の香りが春日と同じだったからか、

面影を彼に重ねていた。


春日が去ってもあたしはあいかわらず彼を求めてしまっている。

あの後、川崎係長とは暫く付き合ったけど

彼が大阪転勤を機に別れたのだ。

私が、「遠距離は無理。」


と言うとあっさり手放して行ってしまった。

思ったよりショックでもなくて


涙も出なかった。


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