蒼穹の誘惑
「信じらんないっ!!」

みずきは、枕を高宮の顔にあて、真っ赤な顔で睨んだ。

「子供の前だと、そんな顔もするんですね?」

高宮はクスクス笑いながらみずきの額に軽くキスをする。

あまりにもその仕草が自然で、みずきは呆然とそのキスを受け入れてしまう。

キスをした高宮本人も、ハッと唇を額から離す。目を大きく見開き、自分のした行動に躊躇っているようだ。

身体は何度も重ねてきているのに、こんな些細なキスに動揺する。

昨日から明らかに二人の間の空気が変化してきている。

いつものみずきなら、触らないで、と跳ね除けることができただろう。

だが、今は火照る身体を硬直させ、沸きあがってくる、甘酸っぱく擽ぐったくなるような感情をどう処理したらいいのかわからない。


(な、何これ……心臓がうるさいっ!!)


< 114 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop