蒼穹の誘惑
高宮は車に乗り込んだ矢先に、タブレットを取り出し、これから行う商談のブリーフィングを始める。

みずきはやれやれといった表情で天を仰いでみせた。

「ねぇ?そんなことより何か言うことないの?」

みずきは高宮の膝に手を置いて甘えてみせた。

「何をです?このブリーフィングよりも大切なことがあるとは思えないのですが?」

「もう!キレイだ、とか良く似合っているとか、何か褒め言葉くらい探しなさいよっ!あなた秘書としては有能だけど、男としてどうかと思うわ!」

「キレイです。そう言えば満足ですか?」

高宮はみずきに一瞥もくれず、感情のない声で言う。

「ほんっとにイヤな男……」

「では、続けさせていただきます」


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