蒼穹の誘惑
(ムカつくけど、いないと困るのよねぇ)
大きく溜息をつき、コーヒーカップを口元へと運ぶ。
中身が空なことに気付くと、横から愛らしい声が降ってくる。
「みずきさん、おかわりどうぞ」
「あぁ、そうね、ありがとう」
みずきは、愛想良く微笑むカフェ店員ににっこり笑いカップを差し出した。
「みずきさんどうしたんですか?ため息なんてらしくないですよ。おいしいコーヒーでも飲んですっきりしてください」
「ありがとう。由美ちゃんの入れてくれるコーヒーはいつもおいしいから心が潤されるわ」
「みずきさん朝も中々寄られなかったから寂しかったです。新しい豆が入荷されたからずっと待ってたんですよ?」
「由美ちゃんのその優しさ癒されるわぁ。女の子ってなんていいの……」
みずきは思わず由美の手を取る。
(やっぱり秘書は女の子の方が良かったかしら?)