幼き神は涙さえ演じて

 長い廊下を歩き、茶神をベッドに寝かせれば、瞳があいた。

 「…あなたと言う人は…私の手を煩わせることがお好きのようですねぇ」

 ベッドの脇に立ったクラウドに、寝転がったまま茶神は穏やかに笑った。

 「本望だろう」

 「言っていなさい」

 普段ならば執事風情が。と返って来るところだが、今回は返ってこなかった。

 
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