道化師と菫の花/GIADOOLⅣ
KvsA

 シンシンと雪が降る。


 もうすぐ春が来ようとしているというのに、雪は一向にやむ気配は見せない。


 人工的に作られたドーム内で、気象管理システムによって降り注ぐ、雪。


 いったい誰かの意図なのか・・・・もしくは、ただの故障なのか・・・。


 キラと、海人に知るすべは無い・・・。


「まだ、帰ってこないの?」


 そんな降り積もる雪を見ながら、キラはぼそりと口にする。


 彼女の目の前にあるのは、今日で3日目となるラーメン。


 どこぞのトウヘンボクとは違い、文句を言わずに食べてくれるあたり、まだマシだろう・・・。


「・・・ん?あぁ、アイツか・・・もう、一週間やな。」


 同じように、ラーメンを食いながら、海人がそんなことを口にする。


 アルクが姿を消して一週間。


 元々、ふらりと消えるクセがあったとはいえ、一週間も帰ってこないのは、過去最長だろう・・・。


 事故にでもあったか・・・もしくは・・・・・・・。


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