道化師と菫の花/GIADOOLⅣ

 彼は、銃を扱ったこともなければ、人を殺した経験も無いのだろう・・・。


 だったら、どうしてオマエはその肉を食べられるのだ?


 俺が何人殺せば、その肉は食えるのだ?


 そのきらびやかな服は、いったいどれだけの戦果をあげれば、着れるのだ?


 いったい、どれだけの戦場で功績を挙げれば、それだけの脚光を浴びることが出来るのだ?


 彼を見て思ったのは、完全なる殺意・・・。


 オマエと俺で何が違う?


 歳も同じで、同じ男で、同じ国の生まれだというのに、どうしてこんなにも違う?


 いつも、パンとスープしか食べれない、俺と・・・


 いつも、同じ服しか着れない俺と・・・


 抜けない血のにおいと、耳から離れない数多くの悲鳴に悩まされる、俺とオマエでは、何が違う!!


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