道化師と菫の花/GIADOOLⅣ

「・・・・・・・やっぱり、知っていたのか、アルフレッド・・・。」


 しまった・・・。


「・・・これでも、『スラムキング』だからな・・・。」


 自分や海人の俗称。


 水練が知らないとは思えない。


「そうか・・・だったら、話は早い。協力して欲しい。」


 ・・・・・・・・やっぱり。


「反対だ。」


 何にだよ?・・・という質問より、そんな言葉が先に出た。


「どうしてだ?」


 どうしてだって?


 水練こそ、どうかしているんじゃないのか?


「むしろ、賛成する理由がどこにもないだろう?人工知能なんて、外道中の外道がやることだ。死んだ人間まで戦わせようなんて正気の沙汰じゃない。」


 終わらない戦争。


 続く貧困。


 世界は・・・こんなにも地獄に満ちているのだ。


 ならば・・・・せめて死人ぐらいは安らかに眠らせてやれ・・・。


「俺たちは、傭兵だぞ。」


 水練の言葉。


 たちと、言ったが、今も傭兵なのはオマエだけだ。


「だから、なんだよ?」


 何が言いたいんだよ?お前は・・・。


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