道化師と菫の花/GIADOOLⅣ

「なんとでも言っておけよ。それじゃあ、悪いがさっそく、お前たちに俺の部下を紹介してやる。」


 嬉しそうに、背を向ける水練。


 どんなに切望しようとどんなに努力しようと、人は・・・過去を断ち切れない。


 いつまでも、過去は罪へと変わり、人を縛り、重しとなって、未来の行く手を妨げる。


 結局、どこまで行こうと、俺は傭兵からは抜けれないのだろうか?


 所詮・・・人殺しは、死ぬまで人殺しなのか・・・。


 ならば・・・せめて・・・・・・・。


「水練、だったら、一つだけ俺の要求を聞いてくれ。」


「どうした、アルフレッド?要求?出来る立場だと?」


「昔のよしみだろう?頼む・・・連れて行きたいやつがいるんだ。」


「連れて行きたい・・・やつ・・・?」


 せめて・・・わずかな希望を・・・。


 頼りになる友を・・・。


「俺の・・・相棒だよ・・・。」


 ・・・・・・・・・すまない、海人・・・。


 俺は、オマエを利用する・・・・・・・・・。


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