道化師と菫の花/GIADOOLⅣ

15年前


 傭兵部隊にいたアルフレッドにとって、銃の扱いを教えてくれた水練は、父であり、ギアの整備や、その他機械類の扱い方を教えてくれたマリアは母であった。


 アルフレッドは、幼少の頃から、その才を発揮していた。


「この子すごいよ。そのうち、一流の整備士になれる。」


 マリアは、アルフレッドの機械センスを見るたびに、とても嬉しそうな言葉を発していた。


「何、言ってやがる?こいつの射撃能力の高さは、いまや俺たちの傭兵部隊の中でもトップクラスだぞ。こいつは、一流の狙撃主になる。」


「何言ってるの?そんなことさせたら、命がいくつあっても足りないわ。この子には、きちんとした教育を受けさせて、いいギア・ドールの開発者にさせるべきよ!」


 当時から、ギア・ドールの普及は目覚しく、彼ら傭兵部隊にも、旧型とはいえ、既に6体のギア・ドールが配備されていた。


「なに言ってやがる?そんなことさせたら、あっという間に、腑抜けただけのただの、腰抜けお坊ちゃまになっちまう!こいつには、戦場と言うものをもっとよく知ってもらい、男の中の男へとさせるべきだ」


 マリアと水練は、とてもアルフレッドを可愛がっていた。


 しかし、その教育方針は、真っ向真逆。


 両方の才に溢れていたアルフレッドは、傭兵部隊のマスコットであると同時に、希望の星だった。


 一流の狙撃主か・・・はたまた、一流の機械屋か・・・。


 ・・・・・・すべては夢の話・・・・。


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