片翼の天使
エスカレーターを上がってすぐのショップに入る
このショップは高くても5000円くらいしかしないしあたしのお気に入り。

「いらっしゃいませ~ってカナじゃん」
「マキ。まだ続いてたんだ」
「失礼な。あんたもバイトでいいから働けば?」

相川マキ。
友だちの少ないあたしにとっては唯一とも言える人。
小学生の頃からの腐れ縁だ。

「お昼まで時間潰してよ。フードコートでランチしよ」
「OK。じゃあとりあえず服見とくわ」
「毎度どうも~」

適当に服を見繕う。
なんとなく気分的にギャル系かな?
ミニスカと派手目のトップス。
ついでにブーティも買った。

「よ!金持ち!ランチ期待してるから」
「勘弁してよ。昨日の稼ぎ悪かったんだから」
「分かってるって。んじゃまたね」

ヒラヒラと手を振ってあたしはショップを出た。
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