片翼の天使
存分にバスタイムを満喫してベッドルームへ。
入れ替わりにタクヤもバスルームに消える。

「ホント掴めない奴。ヤりもしねぇで100万とか…」

グラスをグイッと傾ける。
ウォッカの口当たりが以外によくて二口三口と飲み込む。

「コラ。悪酔いするぞ」
「ん~…タクヤも飲みなよぉ」
「…手遅れか」

正直に言うと酒はあんまり得意じゃない。
ナンパしてくる奴は少しでも金があるとバーやこ洒落た居酒屋に連れて行く。
居酒屋じゃ無理だけど大抵あたしはいつもシンデレラを飲む。

「タクヤぁ…抱っこ…」
「でけぇ子どもだな」

そう言いつつあたしを抱き上げるとそっとベッドに横たえる。
そのままあたしの隣に寝そべるとおやすみ、と言ってタクヤは目を閉じた。

相変わらず寝付きのいい男。
その寝息に誘われるようにあたしも瞼を下ろした。
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