蜜色チェーン―キミと一緒に―


「お願い……拓海くん、待って……っ!
過去から抜け出せないなら、それでいいから……っ。
私も一緒にいるから……だから―――」
『由香が大切じゃなければそうしたけど。
……言っただろ?
由香だけには幸せになって欲しいって。
俺の負け試合に由香を巻き込みたくないんだ』
「私は……、私の、幸せは―――」
『ごめん。由香。そろそろ時間だ』
「待って……! 拓海くん……っ!」


私が泣いているのは、電話越しでも十分分かったと思う。
どんな顔しているのかも、拓海くんになら分かる。

ずっと一緒にいたから。

それと一緒で、拓海くんが今どんな顔をしているのかが、私にも分かる。
拓海くんが、ツラそうに微笑んでいるのが。


「お願い……っ」
『ごめん、由香。
―――幸せになれよ』


プツって音がして、切られた電話。
呆然とした後かけなおしたけど、拓海くんのケータイにはもう繋がらなかった。




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