蜜色チェーン―キミと一緒に―
そう言って食事を進める拓海くん。
キズつけたくないとか、大切だとか。
そんな事を平気で言うから、戸惑って何も言えなくなる。
私も、拓海くんの買ってきてくれたコロッケを食べようと思ったけど……。
胸が苦しくて喉を通りそうになかった。
私は拓海くんが好きで、拓海くんも私の事を大切には思ってくれている。
身体の関係もあって、特別に優しくしてくれるし、部屋のスペアキーもお互いに交換済み。
週の半分以上をどちらかの部屋で一緒に過ごしているけど……。
私たちの関係は、恋人ではない。
それが時々寂しくて悔しくてじれったくて……、そして切ない。