蜜色チェーン―キミと一緒に―
だから、飲み会ってなると、交流のない総務部よりも、何かと接点のある営業部に参加する事になったらしい。
私が勤める本店には、本格的な窓口業務はないけど、訪ねてきたお客様の情報を営業に伝えるのもひとつの仕事だから。
毎日顔を合わせているから、総務部よりも営業部との方がなじめるのも事実だった。
「あれ、野原さん、お酒飲めるの?」
愛美の隣に座ってビールを飲んでいると、話しかけられる。
隣に座ったのは、第一営業課の田中係長だった。
確か、拓海くんが新入社員の頃コーチャーをしてくれた人って聞いた事がある。
いい人だって、拓海くんが言ってたのを覚えてる。