タロット☆マジック【完】





でも――……




この、いかにも『恋ってなぁに? リンゴより美味しいの?』とか言いそうな凜子が




俺の気持ちを、口にしなくても分かるのか……?




「………………」




「……? 蓮斗くん……?」




黙る俺に、凜子は首を傾げる。




俺は、そんな凜子を前に、ゆっくりと口を開いた。




「……り、凜子が……」




「ん? 私が?」




俺は、深く息を吸って真っ直ぐ凜子を見た。




「凜子が好きだからだっつーの!」




―― ドクッ、ドクッ、ドクッ……




ありえない速さの鼓動。




俺の顔は、きっと……ありえないくらい真っ赤だ。




下を向いて、唇を噛みしめる。




< 100 / 132 >

この作品をシェア

pagetop