タロット☆マジック【完】
そんな俺に、凜子は何故か焦り出した。
「えっ? 何が? ご、ごめんね蓮斗くん!」
凜子が俺の顔を覗き込む。
瞬間、顔の距離が近くなって思わず仰け反る。
……あっぶねー……。
いきなり離れた俺を、どう感じたのはよく分からないが、凜子は急に元気を失くした。
「ごめんね……私のせいで……」
シュン……としている凜子。
そ、そんなつもりは無かったんだけど……。
俺は思わず、凜子の頭を慰めるように優しく撫でて笑った。
「いーよ。凜子のせいじゃねぇし」
凜子は、ゆっくりと顔を上げた。
「……ホント?」
「……ん。ホント!」
俺がそう言って笑うと、凜子の顔が赤く染まった気がした。