タロット☆マジック【完】




ライチがその時に言った。




「あっ、凜子が取ってないんじゃねぇの? おい、凜子――……」




皆その言葉に固まった。




触れてほしくなかった……。




凜子が今この部屋に居ないという現実が、私たちに突きつけられる。




ライチの馬鹿。




ついでに蓮斗の大馬鹿者。




「……正直、ちょー寂しいかも」




私は思わず本音を呟いた。




リンゴを見て、馬鹿なあの笑顔を思い出してしまう自分が憎い。




土足でドカドカと最初は入ってきて。




いつの間にか凜子が、私の心の中に巣を作っていた。




今は居なくちゃ寂しい存在だなんて……馬鹿げてる。




ホント、人生色んなことがある……と、しみじみ思う。



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