【超短】甘いキスが上手な不良君【完】
「こっち」

声を追うと、草むらに寝転がる男の子。


あ……。

中谷君だ……。


中谷和泉君。

クラスメイトで、隣の席の男の子。

しかも、不良で有名な人だ。


「もしかして、聞いてたの……?」

「聞くつもりはなかったけどな。耳に入っちまったからさ」

むくりと起き出して、中谷君は私のもとに歩いてきた。


「アンタ、すげぇ泣いてんな。んなにショックだったのかよ?」

「……っ」

認めたくないけど、すごくショックだよ。


そんなとき、中谷君の指が伸びてきた。

思わず、体がビクッとなる。
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