相思相愛。 ~生きた証~
6年生になって一年間で数回しか言わなくなった言葉。

それがまた中学校で復活しようとは思いもしなかった。

今になって思う。

(あぁ、コンプレックスになるほど傷つく言葉だったのか。)

ニキビは私にとってのコンプレックス。

その言葉も私にとってのコンプレックス。

その男子が発しただけで、毎日のように繰り返されるあの日々。

必死にごまかした。

辛い気持ちをごまかした。

無理やり笑って大丈夫だと、気にしてないと言いはった。

馬鹿みたいに我慢して、何も言わずにただ言われるだけの日々。

泣きもしなかった。

涙なんかでなかった。

我慢し続ける日々が続いて限界がきたのだろうか。

私は英語の授業中、リストカットを始めたのだ。

たまたま割れた自分の下敷きの破片。

そのとんがっている端っこを使って手首強く、

何十回と繰り返し切るように…
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