〜うちのバストの秘密〜





「…どうぞ。」




頭の上から、大人びた低い声が降ってきた。




え……




顔を上げて彼を見ようとしたが、

すでに彼はそこにいなくて。



キョロキョロ辺りを見渡すと、離れて行こうとする彼の背中が視界に入った。




そこで、やっと席を譲ってくれたことに気付いた。



うちがあまりに見つめてたから、気を悪くしちゃったのかなぁ…



…でも、気付いてる様子なかったし。
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